ソーシャルベンチャーであるtonariのミッションは、距離を超え、大切な人とのつながりをより身近に感じられる社会を実現すること。2017年に2つの離れた空間を等身大で自然につなぐ技術を開発し、コミュニティ、家族、教育、障害者福祉の分野で新たな可能性を探るためにtonari labを立ち上げました。
実現したこと
- ユニバーサルデザインのため、障害の有無や年齢にかかわらず使える
- 遅延がなく細かいところまで見えるので、参加体験型の学習や教育に適切
- 同じ部屋にいるような、自然な距離感で心地良くイベントが開催できる
- 実施内容に応じ、レイアウト変更するとより一体感が生まれる
6つの実験について
実証実験は、代々木八幡のStraylightと神奈川県の葉山のおよそ60kmの距離を結んだ会場で行いました。年齢、分野、参加人数、障害者福祉など、異なる要素をもった6つのワークショップを開催し、より自然に同じ空間にいると感じられる環境をつくるための検証を実施。6つの実証実験は、公募アイディアから選び、研究テーマに合わせて参加者や共同主催者を募集しました。
障害の有無や年齢にかかわらず、ともに過ごす
被爆者証言を行っていただいた80歳代の小谷さんをはじめとしたご年配の方から、10歳未満の子供まで、幅広い年齢層の方々にtonariを利用していただきました。tonariの使い方を説明をせずに実験を行ったにもかかわらず、自然に使いこなせていました。
Web会議システムの課題である可視範囲の狭さをtonariは補い、通信遅延が起きない設計は、相手への思いやり、温もりとなり伝わり、どなたにも快適で幸せな環境をつくり上げることができると実感しました。
手話は、身振りや顔の表情など身体全体を使って、意思や考えを相手に伝える必要があるので、tonariは手話を教えたり学んだりするのに最適な環境です Silent Voice デフアカデミー 尾中さん
参加体験型の学習や教育に強みを発揮
tonariでは、Web会議システムにある映像・音声の遅延がありません。遅延なく映し出される映像(特に動きのある映像)や音声は、オンライン独特のストレスをなくし、授業に集中できるようになります。また話しかけるタイミングを伺うことなく、対面と同様に自然なタイミングで先生に質問をしたり生徒へアドバイスができます。
料理教室では、先生が生徒の手元を見ながら、焼き具合など細かい作業の確認ができ、遠隔でも先生・生徒ともに満足度の高い時間を過ごすことができました。
まるで一緒にいるかのような自然な距離感
お互いの呼吸の音も聞こえるような落ち着いた雰囲気でのクラスと、一緒に和気あいあいと作って飲んだスムージーが対照的で面白かったです。共通の体験と雰囲気が味わえ、とても60km離れているとは思えませんでした! 葉山側からの参加者
デザインはシンプルでミニマルに。多様な用途に合うイベントスペースとして設計
各イベントに適したインテリア・家具が選択できるように、素早くレイアウト変更ができる空間に仕上げました。また、tonari labのスペースであるMoshimoとStraylightは「進化し続けるスペース」であることを目指しています。さまざまな技術テスト、レイアウトやデザインソリューションを積極的に試しています。
となりにいるかのように、世代も障害の有無も超えて平等な機会を
質問も目の前で聞けて答えが返ってきて、表情も見える。まるで、となりにいるみたいですね。まだまだ色々な人に語っていけることができます。 被爆者証言を行っていただいた小谷さん
一般社団法人tonariについて
2017年に元Googleのプロダクトマネージャーのタージ・キャンベルとエンジニアの川口良が創業したソーシャルベンチャー。仕事や教育の機会、コミュニティにいつでもつながれるよう、物理的な距離による境界のない世界をつくり出すことを目指しています。一般社団法人での成果を活かし、2018年にはtonari株式会社を設立。2020年より法人向けに販売を開始しました。
✏️実証実験の詳細はブログをご覧ください
tonari株式会社について
2018年に元Googleのプロダクトマネージャーのタージ・キャンベルとエンジニアの川口良が創業。等身大のスクリーンを介して2つの空間をつなぐ「tonari」を開発し、物理的な距離による境界のない世界を目指しています。