急成長するスタートアップのうち、実に5社に1社が「組織崩壊」に陥るという事実をご存じですか?また、事業が失敗する65%もの原因が、実はマネジメントの不備によるものだという驚くべき統計もあります。このような厳しい現実を目の当たりにし、私たちtonariもスタートアップとして、人事戦略やマネジメントの重要性を日々痛感しています。
スタートアップが成長する過程で直面する「30人の壁」「50人の壁」「100人の壁」と呼ばれる課題があります。組織がまだ小規模な時期には、経営層が従業員一人ひとりの顔を見て、意思疎通が可能です。しかし、組織が拡大するにつれて、マネジメントが破綻するリスクが高まります。 人数や拠点が増えると、創業時の理念や職場文化は自然には共有されません。さらに、コミュニケーションをフラットで双方向に保つためには、創業者自身が現状をメタ認知できる環境を作り、組織崩壊を防ぐために相互理解とフィードバックを大切にする必要があります。
さらにグローバル展開となると、文化や言語の違いに加え、課題が段違いで複雑になり、チームの総力が一層重要になります。もし拠点が増え、チームが拡大しても、「一つのオフィス」で組織を一括マネジメントできるとしたら、どう思いますか?
初めての拠点拡大:スタートアップが直面した課題とは?
成長中のスタートアップが迎える課題としてオフィスや研究開発など、「拠点の増設」が挙げられると思います。ハードウェア開発を行うディープテックスタートアップは、研究開発や製造のための現場作業が不可欠で、事業加速にはパートナーなどとの協力体制強化が必要です。同時に企業の成長に伴い、本社オフィスの拡張、他地域への進出、さらには海外展開が必要となります。しかし、拠点が増えるにつれて、共通の企業文化や創業の想いを維持することが難しくなります。
空間拡張「tonari」とは
tonariとは、等身大のスクリーンを介して超低遅延かつ高解像度の映像で遠距離拠点間をつなぐコミュニケーションツールです。つながった相手の部屋全体を見渡せるスクリーンで、同じオフィスにいるかのような環境を作り出せるため、「コプレゼンス(つながっていると感じる共在感覚)」を感じながら、日本と海外委託先の空気感を共有でき、オフショア開発におけるコミュニケーションの問題を解消しやすくします。これにより、プロジェクトの遅延や品質低下を防ぎ、企業の競争力を向上させることができます。
tonariで多拠点を一括マネジメント
ハワイとシリコンバレーをとなりに|レゴブロックの様にいくつものオフィスをつなげて拡大するnormal lab
「すぐとなりにシリコンバレー!tonari があるといくつもの壁をこえることができる。それは私が呼ぶところの無意識のコラボレーションです。」- Josh Leong (normal lab CEO)
シリコンバレーのスタートアップ企業の中には、「ステルスモード(Stealth Mode)」と呼ばれる戦略を取る会社があります。この戦略では、一定期間自社のサービスや製品を外部に公表せずに事業を進めます。Normal Labはまさにそれで、最新の熱管理システムなどを活用した空調システムなどの家具を製造しています。
同社CEOのJosh Leongは、Googleでプロダクトデザイナーとして働いた後、妻とハワイに移住し、そこで起業しました。ただ、ハワイは本土アメリカと地理的に離れているため、孤立した環境での資金調達や人材確保、市場規模などの点から、「ハワイで本気でスタートアップをやるのは難しいのではないか」と悩んでいた時に、tonariを紹介されました。
まず製品デザインを行なっているハワイ本社と、COOで顧問でもある、かつてアップルウォッチやテスラなどを手がけた経験を持つSankarshan Murthyが住むカルフォルニアのシリコンバレーを繋ぎました。そして、アジアに配置している製造設計チームとサプライチェーンチームにアクセスしやすいように日本に拠点を作ったあと、日本の拠点とも繋ぐ予定です。Joshは「スタートアップ企業が成長するためには、人と人との関係が何よりも大事です。特にハードウェア開発を行う会社は同じ部屋にいるようにコミュニケーションを取ることでスピードを落とすことなく、よりよい開発が可能になる。拡大するたびにtonariを導入し繋げたいです」と語ります。tonariを導入したことで、彼らは地理的な制約を克服し、世界中のリソースを最大限に活用することができました。
海外からの優秀な人材を採用できた理由
日本では特にエンジニアの採用は競争が激しいと言われていますが、tonariはすべての技術スタックをRustで構築しているため、世界各国のRust好きのエンジニアからの応募が届きます。ただ、スタートアップの環境では日々の業務や組織体制が流動的であるため、スキルはもちろんのこと、互いにカルチャーフィットを見極める必要があります。海外のエンジニア採用となると、対面での面接が行いにくいので相性の見極めが非常に困難ですが、tonariでは日本とヨーロッパ間のtonariを使って挨拶や’対面面接’をしています。tonariではエンジニアリングチームが日本とヨーロッパで分かれているため、日本の夕方とヨーロッパの朝にtonari越しで過ごす時間を設け、新しい課題について話し合ったり、ペアプログラミングをしたり、お互いの近況をアップデートしたりなど、一緒に時間を過ごせる環境をつくっています。
「ここ数年でtonariは私たちの働き方や住む場所を柔軟にし、新しい仕事の機会も作り出しました。tonariがなければ、同じような人間関係を築くことはできなかったと思うし、これからグローバル企業に成長していく中で、自分達にとっても必要なテクノロジーだと実感しています」- Ryo Kawaguchi (tonari CTO)
tonariで未来のオフィスを実現し、リスク回避とチャンス創出
グローバル進出に挑戦するスタートアップはtonariを導入することで、言語の壁を超えたコミュニケーション、高度人材の確保と育成、従業員のエンゲージメント向上、そして心理的安全な環境の構築が可能となり、持続可能な成長を遂げるための重要な環境を整えることができます。国内で「一つのオフィス」で組織を一括でマネジメントする、SFのような話を簡単に実現することができます。